フランスの原子力事業を担う電力会社は21日、フランス北西部にある大型のフラマンビル原発3号機について、ことし9月に稼働した新型原子炉が送電網に初めて接続したと発表した。新型の原子炉はもともと2012年に完成する予定だったが、設計上の不備や工事の欠陥などが相次いで発覚し、稼働が大幅に遅れていた。さらに総工費は推計で132億ユーロ、日本円で約2兆1500億円と、当初の計画の約4倍となっている。フランスは電力の約65%を原発でまかなう原子力大国で、マクロン大統領は脱炭素などの観点から原発6基を新設し、さらに8基の建設を検討するなど、新たな原発の建設を進めていく方針。AFP通信などは「去年、稼働していた最後の原発が送電網から切り離され“脱原発”が実現したドイツとは対照的だ」と伝えるとともに、「フランスでは今後コスト面などが大きな課題になる」としている。