ロシアの脅威に対抗するためのミサイル配備計画に反対する政党が勢いを増す背景などについて田中支局長に聞く。田中さんは「ドイツでは進行が始まった当初みられなかったウクライナ支援に反対する意見やロシア寄りの意見が侵攻の長期化にしたがって表面化している。中でも今回のミサイルの配備計画に反対する”平和デモ”はこれまでになく規模が大きく地元メディアでも注目された。ドイツでは景気の減速も明らかになっており、国民の関心は内政に向きがち。こうした中でウクライナ支援に懐疑的でロシアに融和的な人が多い州での議会選挙では、ロシア寄りの姿勢が目立つ新党が勢力を拡大するなどゆらぎが目立っているのが現状」などと話した。トランプ氏が返り咲くことについては「ウクライナに不利な状況に繋がりかねないとみている。トランプ氏がウクライナへの支援を減らした場合、アメリカに次ぐ支援国・ドイツへの期待が当然大きくなる。支援に反対する新党の全国レベルの支持率は6%程度だが、移民への排他的な姿勢で『極右』だとも批判される右派政党・ドイツのための選択肢も時刻第一主義の観点からウクライナ支援などに反対しており、この2つの党の支持率をあわせると25%ほどに達する。国民の4人は反対していることになるので無視できない大きさになっている。アメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利し、ウクライナ支援などを巡る不確実性の高まりに懸念が出る中、ヨーロッパの大国・ドイツの政治状況も注視が必要」などと話した。