タイではきょう議会で新たな首相を決める投票が行われ、野党・タイ名誉党のアヌティン氏が選出された。タイでは先月29日、憲法裁判所がカンボジアとの国境問題の対応を巡り、タクシン元首相の次女で首相のペートンタン氏の会食を命じ、現職の首相が失職する事態となっていた。バンコクから金知英記者が中継。新政権の発足で国内政治の混乱が収束する見通しが立っていない。アヌティン政権は少数与党となる見通しで、政治が安定するとは言えない状況。また、アヌティン政権は今回最大政党から支持を得るのと引き換えに、4ヶ月以内に議会を解散し選挙を行うとしており、そうなれば再び混乱する可能性もある。また、タクシン元首相の動向も注目されている。実刑判決を受けた後体長不良を理由に刑務所ではなく病院で生活していた問題を巡って、裁判の判決を来週に控えている。これを前にタクシン氏はタイを出国したため、逃亡したのではないかとの憶測も出ており、タクシン派の影響力も今後の焦点になる。日本企業への影響する可能性もある。タイでは政治の混乱が繰り返されていることで、経済政策の実行力が弱まっていることも影響し、マレーシアやベトナムなどの近隣諸国と比べて経済成長率が低くなっているという指摘もある。また、新政権はトランプ関税の対応が課題となるが、少数与党となる中、リーダーシップを取れるのかが問われることになる。