アメリカ議会での岸田総理の演説で、何度もスタンディングオベーションがおきたスピーチは日米の強い結束をアピールする一方で、防衛費の増額など、同盟関係の中での日本の責任も強調し、トランプ氏への配慮も透けて見えてきている。11日にワシントンで行われた米連邦議会で、岸田文雄総理大臣は前日の晩餐会同様、まずは笑いを取るところから。岸田総理が強調したのはアメリカが築いてきた国際秩序が揺らいでいるということ。ただ、30分を超える演説中、ガザ地区には触れることはなかった。上下両院合同会議で演説するのは歴代総理の中で2人目。最初の安倍晋三総理大臣がこの場に立ったのは戦後70年の節目のタイミングだった。かつて戦火を交えた敵が同盟を築く友となったことを強調した。一方、岸田総理の演説は反応が割れる場面もあった。AP通信によると欠席した議員もいるという。共和党のジョンソン下院議長は、他の場面ではスタンディングオベーションを送っていたが岸田総理がウクライナ支援に触れると、拍手はするものの座ったまま。追加支援があんければ砲弾が枯渇して敗北するとの声が出ているウクライナ。ジョンソン議長が予算法案の採決を拒否し支援策は暗礁に乗り上げている。演説は概ね好評だったが、共和党のバーチェット下院議員は、ウクライナへの追加支援にはあまり賛成できません、日本が支援するのは結構ですが我々にはあまり関係ありません、と話していた。アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏が再び大統領の座につくシナリオが見えているアメリカ。岸田総理は「世界はアメリカのリーダーシープを当てにしてしますがすべてアメリカだけでやるべきだとするのは筋違いです」などと演説。そして防衛予算をGDP比2%に増額することやウクライナ支援などに触れ「この議会においては一連の取り組みに対して超党派による強力な支持がいただけるはずです」などと述べていた。