額縁に入れられた小さな制服。これは、子供たちの思い出が詰まった世界にひとつだけのインテリア。「幼稚園の制服を手のひらサイズにミニサイズに作り替えます」「(自分も)子供の思い出を全部取っていて、少しずつ処分を始めたんですけど、思い出自体を処分してしまっている感覚で、すごく悲しくなってしまって…」と話すのは、制服のミニチュアリメイクを行う佐藤色さん(53歳)。佐藤さんは、思い出が詰まった制服の生地を使って、10cmほどの小さな制服に作り替える職人。佐藤さんは、自身の経験から“いつまでも子育ての思い出を感じてほしい”と、20年前から制服のミニチュアリメイクを行っている。佐藤さんは「細部まで再現をした場合、お客さまがそれを見て『懐かしい思い出の中に戻れました』って言っていただけるんですね」と話す。この日も超小型のアイロンやピンセットなどを使って、ミリ単位の繊細な作業を行っていく。そして、およそ20時間かけて制服が完成し、依頼者の親子とご対面。依頼者の親子は「こんなに細かく再現していただけると思ってなかったので感動です」、佐藤さんは「この笑顔を見たいから、私たちは頑張って製作しています」と話す。今後、目指しているものについて、佐藤さんは「七五三の時に写真館で家族写真を撮るように、卒業後の制服をミニチュアにして額に入れて飾るという文化をつくっていきたい」と話す。