広島・安佐南区の勝手踏切は一歩間違えると危険な事故に繋がりかねない。全国の勝手踏切は1万5553か所あり、岩手899、長野877、新潟837。事故を防ぐ対策は不十分なところが少なくない。勝手踏切の中には明治時代以前から地域の人たちが使ってきた道・里道に鉄道が敷かれた背景がある。里道は自治体が管理する法定外公共物という扱いで、鉄道事業者などが勝手に塞ぐことはできない。封鎖には地域の人の同意が必要。勝手踏切は正式な踏切ではなく、遮断器・警報機をつけるには踏切にする必要がある。香川・三木町ではおととし高松琴平電気鉄道の勝手踏切で事故があり、カギをつけたフェンスを用意し、カギを持った水門管理をする人しか通れない仕組みに同意を得た。日本大学・綱島均特任教授は、最終的な目標は完全封鎖としたうえで、事故を少しでも減らすための過渡的な対策も必要と指摘している。1万5000か所すべてで一気に対策するのは困難で、より危険な場所から優先順位をつけて取り組む必要がある。そのためにも実態把握が必要。