顧客企業の利益などを守るため、同じグループの銀行と証券会社の間では、法令によって情報共有の制限がある。しかし、関係者によると、三菱UFJフィナンシャルグループの三菱UFJ銀行と、三菱UFJモルガンスタンレー証券、モルガンスタンレーMUFG証券は、企業の経営戦略に関わる非公開情報を顧客企業に無断で共有していたと見られている。この問題で、法令に反して共有されていた顧客企業の非公開情報は複数企業の10件以上に上ると見られることが、関係者への取材で新たに分かった。中には証券会社とやり取りする中で、顧客企業が、銀行にしか伝えていないはずの自社の事業統合に関する情報が漏れていることに気付き、指摘したケースもあったということで、証券取引等監視委員会は、3社に行政処分を行うよう金融庁に勧告する方向で調整を進めている。