2024年度の予算案を政府が決定した。一般会計の総額は112兆円で、その規模は過去2番目となるが、財源の3割以上を国債に頼るという厳しい状況が続く。今回の予算案のポイントとなるのは賃上げと少子化対策で、企業への助成金や介護職員・看護師などのベースアップ、児童手当の拡充が盛り込まれる。コロナ対策で異例の規模となった予備費4兆円を削減してもこれだけの規模となったのは、社会保障費・国債費・地方交付金が増加したためだという。こうした削減が難しい3つの経費が占める割合は、予算全体の7割以上を占めていて、政策の自由度は失われつつある。一方、少子化対策や物価高騰対策などの課題は待ったなしの状況となっている。また、来年の予算案に加え、政府は「こども未来戦略」を決定。多子世帯を対象に大学授業料を実質無償化する措置を講じるなどの経済支援の拡充策などが盛り込まれる。この財源について政府は、支援金制度の創設などで今後3年かけ予算を増やすとしている。