稲田元防衛相ら国会議員5人が同行して行われた尖閣諸島の調査で、島の生態系が大きく変化している可能性があることがわかった。専門家は、島への上陸調査の必要性を訴えている。沖縄・石垣島の沖合約170kmに浮かぶ尖閣諸島・魚釣島。2日間にわたって行われた調査ではきのう、稲田元防衛相ら国会議員5人が同行して、島の北側の撮影が行われた。今回初めて、ドローンを使って島の上空からの撮影に成功。島の岸壁に見える白い物体は漂着ごみ。木が枯れたのか、ところどころで山肌がむき出しになっている。ほかにも生息する生き物などの調査が行われた。一方、こうした調査のさなか、中国海警局の船が接近してくる場面も。調査団は安全を優先し、このあとのドローンの撮影を断念した。今回の調査の成果について専門家(東海大学・山田吉彦教授)は、「水が少なくて島が全体的に乾き始めているのを感じた。魚釣島の生態系は、すでに大きく変化してしまっていると考えられる。いち早く、島の上陸調査が必要だと感じる」と話す。また、同行した稲田元防衛相は、「国がやらないといけない」と述べ、上陸調査を推進する考えを示した。