アスリートも自身にかけられたことばを力にしている。大相撲ではことし、幕内に昇進した2人が初優勝。大切な人からかけられたことばが支えになった。3月の春場所、110年ぶりとなる新入幕優勝を果たしたのが尊富士。優勝争い単独トップで迎えた14日目、アクシデントに見舞われる。じん帯損傷。休場も危ぶまれたが、兄弟子の横綱の照ノ富士(伊勢ヶ濱部屋)からかけられたことば「お前ならやれる」で、みずからを奮い立たせた。痛みが引くことはなかったが、新入幕優勝の快挙を成し遂げた。5月の夏場所は、ちょんまげを結ったばかりの大の里が初優勝。9月には大関に昇進。「唯一無二」ということばをかけてくれたのは父親だった。先月の九州場所では、大関2人の豊昇龍と琴櫻が土俵を引っ張り、横綱昇進への足がかりを作った。新しい風が吹いた2024年の大相撲界。20年以上、大相撲を見てきたタレントの山根千佳さんが来年を占ってくれた。来月の初場所の成績しだいで2人同時に横綱昇進となると55年ぶりとなる。