中谷キャスターが気象観測船「凌風丸」を取材した。船内には新たに女性専用区画を設けた。乗船する観測員は最大38人。凌風丸がとったデータは衛星通信で陸上サーバーに送られ、線状降水帯予測のモデルにデータとして採用される。海上の水蒸気が線状降水帯のタネになることがわかっている。凌風丸ではラジオゾンデと呼ばれる観測機器で海上の水蒸気量を観測し、GNSSという受信アンテナで水蒸気を解析する。今回の航海は東シナ海を中心に5月29日から51日間。気象庁のオペレーションルームでは気象台と調整し、線状降水帯の情報を出すべきかどうかの判断を行っている。スーパーコンピュータの導入で予測精度は向上したが、的中率は25%程度。日立製作所は洪水被害予測システムを開発した。通行できない道路や避難所の位置を表示し、安全な避難や行政の効率的な防災対応をサポートすることもできる。青森県は去年このシステムを導入している。京都大学防災研究所の山口准教授は、複数の風車を組み合わせた装置で豪雨のタネとされる上昇流を人為的に弱める方法を検討している。洋上カーテンや増風機なども検討しており、2050年の実用化を目指している。