熊本豪雨の際、熊本県・人吉市内のホテルに設置された防犯カメラの映像が流れた。球磨川の氾濫から約1時間、みるみるうちに水が広がり、わずか5分ほどで建物の半分以上まで水かさが上がった。そして約15分後には川のようになった。当時、人吉市に住んでおりとなりの球磨村役場に勤めていたという森さんは「明け方、激しく降り続く雨の中を球磨村へ向かったが、すでに国道は冠水し、役場へは通行不能だった。高台に避難した住民とともに一次避難のつもりで球磨川の方を眺めていたが、それから数時間後、増水した川は堤防を越え住み慣れた街を飲み込んでいった」と綴っている。改めて森さんに話を伺うと「明け方には緊急参集もかかり、全職員対応になったが、通行止めもあり災害本部にたどり着くことができなかったのが非常に悔やまれる。もっと早く移動すべきだったと思うが、みなさんが避難していくところに行かざるを得なかった」と話す。避難がすでに危険・困難な場合は無理に移動せず、近くにある丈夫な建物や小高い場所に避難することが大切。夜間など移動が困難な場合は自宅のできる限り高い階や崖から反対側の部屋に避難する「垂直避難」を心がける。