京都大学iPS細胞研究所の井上治久教授などのグループは全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病ALSへの患者のiPS細胞を使って病気を再現させた実験でボスチニブという白血病の治療薬がALSの症状の進行を抑える可能性が示されたことから、5年前から患者での治験を始めていた。グループがきょう発表した第2段階の治験の結果によると発症から2年以内の患者26人を対象に半年間にわたって投与し薬を投与されていないグループと比較したところ症状の進行を抑える効果が確認されたということだ。中でも血液に含まれる神経の損傷を示す物質が比較的少ない患者では症状の悪化がより抑えられていたことからあらかじめ血液を調べることで高い効果が期待できる患者を見つけ出せる可能性があるとしている。