能登半島地震の被災地では8万棟余りの住宅が被害を受け今も多くの人たちが避難を余儀なくされている。石川県珠洲市の若山町北山地区で今月2日住民たちが久々に再開した。蛍の生育地区として知られる北山地区は9世帯20人が暮らしていた。去年開かれた奥能登国際芸術祭では巨大なアート作品が展示。この展示をきっかけに地区の魅力が注目されると期待を高めていた。しかし元日の地震でほとんどの家が全壊。水道の代わりに山から引いていた水も使えず全員が避難生活を余儀なくされた。地区で50年暮らす仲谷内正子は地震で母屋は全壊と判定され避難。先月避難先から北山地区に戻ってこれたのは仲谷内だけ。そして能登半島地震から5か月。離れ離れになった住民たちが県内の避難先から集まってきた。アート作品を制作したアーティスト・小山真徳も駆けつけた。仲谷内と50年来の付き合いがある向春美も金沢から草刈に参加。この日ばかりは以前のようなにぎわいを取り戻した北山地区。たとえ戻ることができなかったとしても顔が合わせる機会を持ち続けていきたいというのが住民たちの願い。