物議を醸している都知事選の“掲示板ジャック”。番組は掲示板の108箇所を独自に調査。更に無関係なポスターを貼る人達を直撃取材した。寝静まった新宿区の中で女子大学生がポスターに向き合っていた。彼女は地下アイドルで、候補者ではないが自分の写真のポスターを貼っていた。しかも48枠のうち24枠にびっしりと。史上最多56人が立候補するなか、異例の事態が起きていた。56人の候補者に対して、掲示板に用意されたのは48枠。あぶれた候補者は、泣く泣くクリアファイルに入れたポスターを掲示板の横に貼り付けていた。いま物議を醸しているのが、掲示板に候補者とは関係のないポスター。仕掛けたのは24人を擁立する政治団体。団体に寄付した人に対して、掲示板1カ所の24枠に自由なポスターを貼れるというもの。そのため寄付者がポスターを張り出している。番組は11人のスタッフで16区と八王子市の掲示板を総力取材した。撮影した108箇所だが、24枠にポスターがあるのは46か箇所で、62箇所にポスターがない。そのポスターを大きくジャンル分けすると、その多くが候補者に関係の無い女性のポスターが15箇所。次が文字だけのメッセージが7箇所、さらに子供の写真5箇所、動物の写真4箇所、広告目的とみられるポスター25件など続く。実際に、ポスターに記載されているQRコードを読み込むと、ホストクラブの男性のXアカウントや、イラストレーターのHPに誘導される。なかには周辺住民も警戒するものも。渋谷区の掲示板には、女性専用風俗のポスターがあった。一方、何が目的か謎なポスターもあった。QRコードを読み込むと、LINEに誘導されそのLINE宛に取材を依頼した。妻と二人暮らしの応じたのは69歳の男性だった。ポスターにはかわいい孫の絵が掲載されていた。男性はYouTuberだという。男性は東京都に住んでいるわけではないので、都知事選に関心はないという。都民の税金が使われる掲示板で都民以外が宣伝効果を得ている事態に。