東京・八王子の久保田大治郎さんは軽度の知的障害とADHDの特性があり外出は常に家族と一緒だった。去年7月、母親が目を離した数分の間に自宅からいなくなり、6日後亡くなっているのが見つかった。大治郎さんはバスに乗って駅に向かい、運賃で運転手とやり取りをしていた。駅では駅員にトイレを借りると伝えて改札内に入り、その後山梨県の無人駅で下車、川の方に向かいその日のうちに溺れて亡くなったとみられる。大治郎さんの異変に気づくことはできなかったのか?八王子市は地域で認知症の人を見守るSOSネットワークという仕組みの対象に障害のある人も加えることを決めた。市ではSOSネットワークに専用アプリを活用している。行方不明になった人の情報を登録すると、アプリ利用者の間で情報が共有され目撃情報の提供を呼びかける仕組み。市によると、現在の登録者は25000人で交通機関の職員などにも登録を呼びかけている。認知症の人向けに配られていたシールを障害のある人にも配布することにした。異変に気づいた場合、周囲の人が電話番号に連絡・IDを伝え、家族などに知らせる仕組み。市はカバンや靴に貼って活用してほしいとしている。