公的年金の支給額は物価と賃金の変動に応じて年に1度改定されていて、厚生労働省は去年の物価上昇率が2.7%、過去3年間の名目賃金の上昇率が2.3%になったことを受け、ことし4月からの新年度は1.9%引き上げると発表した。引き上げは3年連続だが、将来の年金の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みにより引き上げ率は賃金の伸びより0.4%低く抑えられ実質的には目減りとなる。具体的には自営業の人たちが受け取る国民年金は満額で今年度より1308円増え月額6万9308円、厚生年金は40年間平均的な賃金で会社員として働いた夫と専業主婦の世帯のいわゆるモデル年金で4412円増え月額23万2784円になる。一方働き方が多様化していることを踏まえ、厚生労働省は今回初めて平均的な賃金で会社員として働いた場合の支給額なども発表した。