内閣府が発表した、去年10月から12月までのGDPの速報値は、実質の伸び率が前の3か月比べて、マイナス0.1%となった。年率に換算すると、マイナス0.4%となり、2期連続のマイナスだ。伸び率がマイナスとなった主な要因は、個人消費で、前の3か月と比べてマイナス0.2%だった。物価高の影響で、食料品の購入が減った他、冬物衣料の販売や外食などのサービス消費も落ち込んだ。輸出は、前の3か月と比べてプラス2.6%だった。インバウンド需要が増えたことなどで、輸出の伸びを押し上げた。日本の去年1年間の名目GDPは、ドルに換算すると、4兆2106億ドルで、ドイツを下回り、世界4位となった。長年にわたる低成長やデフレに加え、円安ドル高の影響で、ドル換算すると目減りすることや、物価上昇率の高いドイツは、名目GDPの伸びがより高くなることも影響した。新藤経済再生相は、日本がさらなる構造改革、新しい経済の成長できるステージを一刻も早くつくらなければならないなどとした。去年は、30年ぶりの水準の賃上げが実現し、経済活動の正常化が進んだが、個人消費は依然冴えない状況だ。消費の活性化には、高水準の賃上げを継続し、中小企業にもこの流れを広げることが必要だ。好調な企業業績や株価の上昇など、明るい材料もあるなかで、内需を強化し、長年の低成長を脱することができるかが焦点となる。