内閣府が発表したGDP(国内総生産)の速報値、は物価の変動を除いた実質の伸び率が前の3か月と比べてプラス0.8%となった。年率換算ではプラス3.1%で2期ぶりのプラス。主な項目では個人消費は前の3か月に比べた伸び率が1.0%で5期ぶりにプラスに転じた。国の認証を巡る不正で生産を停止していた自動車の販売が回復したことなどが要因。また企業の設備投資は自動車の生産の回復などを背景にプラス0.9%だった。一方、名目GDPは物価高が続いていることを反映し年率換算でプラス7.4%となり、金額では607兆9037億円と初めて600兆円を超えた。4期連続でマイナスだった個人消費はようやくプラスに転換したが、自動車の販売再開という一時的な要因もあり楽観はできない。物価上昇が続く中で家計の節約志向はまだまだ根強いという見方もある。企業の賃上げの動きが広がり先週発表された6月の実質賃金はプラスに転じたが、消費が活性化し経済の成長に勢いをつけられるかが焦点となる。