今永田町では物価高や関税措置への対応策として、現金給付や減税を求める声が出ている。こうした声は自民党の参院側からも出ており、現金給付にあたっては国民1人当たり数万円にすべきと主張する議員もいる。政府の国民への現金給付は、リーマンショックの後の2009年に当時の麻生政権が2兆円規模の定額給付金の支給を実施し、支給額は1人1万2000円だった。また、新型コロナの感染が広がった2020年は当時の安倍政権が1人あたり10万円の一律給付を実施。予算規模は約13兆円に上った。ただ、現金給付を行っても過去には預貯金に回って経済効果は薄かった例もある指摘や、数兆円規模の財源が必要となり、財政規律の観点から慎重に検討すべきだという意見も根強くある。野党側では減税に軸足を置いた主張が多く見られる。立憲民主党内の議員グループは、食料品を対象とした消費税率の引き下げなどを求めている。給付金支給を含めた経済対策を検討しているか問われた林官房長官は、自民党には考え方をまとめてほしいと伝えたが、経済対策の検討を要請したものではなく、政府として補正予算案の編成を検討している事実はないとしている。