ラピダスの小池社長がアメリカ・サンフランシスコで発表したのがラピダス初の海外の営業拠点だ。巨大IT企業が集まるシリコンバレーで新会社「ラピダス・デザイン・ソリューションズ」を設立。新社長にはアメリカのIBMなど半導体大手での経験があるアンリ・リシャール氏が就任した。ラピダスは現在IBMと共同で回路の線の幅が2ナノメートル相当の超高性能な次世代半導体の開発を進めている。これまでの開発は順調と言われていて、来年の今頃には世界初の2ナノ半導体の試作を北海道の工場で開始する予定だ。この工場で2027年に次世代半導体の量産をはじめるときにすぐに多くの顧客に供給できるようアメリカでの営業活動を先行させようというのだ。今回のアメリカでの開所式では提携しているIBMの幹部も参加した。そこには日本から経産省の幹部も訪れていた。実は2日前テレビ東京のカメラは全く別の場所で彼らの姿をキャッチしていた。現地時間10日にワシントンで開かれた日米首脳会談。対中国を念頭に半導体開発の連携強化などで合意した。その裏側で経産省の半導体政策のチームはアメリカ側のカウンターパートである商務省を訪ね今後の半導体政策を協議していた。「半導体タスクフォース」と名付けられた今回の協議。開発状況の確認のほかこの先ラピダスをどんなビジネスモデルで軌道に乗せていくのか支援のあり方などが話し合われた。バイデン政権は今月、台湾のTSMCが進めるアメリカでの工場建設に約1兆円の支援を決定。スマホ向けなど汎用性の高い半導体の供給をTSMCに期待している。一方で日本のラピダスにはTSMCが手掛けられない産業用用途別のカスタムチップの供給を期待している。