日本製鉄は、アメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」を買収することで合意し、USスチールの株主総会などの承認を得られることなどを前提に、来年4~9月に、USスチールを子会社化するとしている。買収額は、約2兆円にのぼる見通しだ。粗鋼生産量を合計すると、5800万トンあまりで、世界3位になる。アメリカの鉄鋼市場は、国内需要を中心とする安定的な市場で、経済安保の観点から、国内回帰が進むことで、今後、さらに市場の成長が見込まれるとしている。日本製鉄は、今回の買収で、アメリカでの生産体制を整え、収益を拡大させようとしている。脱炭素に向けた環境技術の連携も狙いで、鉄鋼業界で、差し迫った課題への対応で先行することで、世界での競争力強化につなげようとしている。狙い通りに、巨額な買収額に見合う効果を実現できるかが焦点だ。