経済産業省が次世代半導体の量産を目指すラピダスに最大5900億円の支援する方針を固めた。これまでに経済産業省はラピダスに最大3300億円の支援を決めているため、合計1兆円近い支援をすることになる。ラピダスは回路の線の幅が2ナノ相当の次世代半導体の量産を目指し、アメリカのIBMと共同開発を進めている。半導体は回路の線の幅が細いほど処理能力が高く、消費電力を抑えることも可能。こうした性能は多くの電力を消費するAIや自動運転の開発には必要不可欠。複数の政府関係者によると、ラピダスが進める研究開発が順調なことを受け、追加支援の方針を固めたという。ラピダスは北海道千歳市で現在建設中の生産工場に製造装置などを年末までに搬入し、来年前半には試作を生産する方針。追加支援の5900億円のうち、少なくとも550億円は研究開発事業に、残りは建設費や製造装置の導入に使われる見込み。政府は台湾のTSMCが熊本県で手掛ける工場に最大約1兆2000億円の支援を決めていて、半導体の国内生産基盤の強化を進めている。