去年、元日の地震で特に大きな被害を受けた石川県の奥能登地域。9月には豪雨に見舞われ、今も災害の爪痕が色濃く残っている。厳しい状況が続く中、輪島市の沿岸部にある地区では1人の男性が先頭に立ち、支援を呼び込もうとしている。石川県輪島市、中心部から15キロほどの距離にある南志見地区。壊れた住宅や崩れた土砂などが至る所に残っている。1軒の店が営業を続けていた。経営者の奥田和也さん(53歳)。自身も被災する中、復旧復興に貢献したいと2月には店を再開した。店を再開した頃を振り返り、奥田さんは「正直大変だった」と語る。物資の調達などの苦労も多かったと語る。ただお父さんが輪島市出身で、小さい頃から能登地方が身近だった奥田さんは過疎化が進む地域を盛り上げたいと一昨年お店をオープンさせた。現在もお店では地元の食材を中心ん使用し、10人の従業員も職場復帰を果たした。少しでも早くかつての姿を地域に取り戻させたいが、地域を取り巻く環境は厳しい。多くの建物が全半壊した南志見地区。道路の寸断で孤立し、住民は一時、地区の外への避難を余儀なくされた。被災前は700人余りが暮らしていたが1年がたった今、戻っているのは半数程度。現在奥田さんは地域の状況をSNSで発信するなどし、支援者を呼び込むなどの活動を行っている。この活動から協力を申し出てくれる人も現れ始めた。奥田さんは空き倉庫で物産品を扱う店や飲食店などが入る市場を整備する構想を練っていた。住民には、野菜を販売したり運営を手伝ってもらったりすることで生活の再建を進めてほしいと考えている。空き家を活用したゲストハウスの運営を始めている。