去年1年間の働く人1人当たりの現金給与の総額は33年ぶりの高い伸びだったが物価の上昇には追いつかず、実質賃金はおととしと比べて0.2%減少し、3年連続のマイナスとなった。厚生労働省は従業員5人以上の事業所3万余りを対象に行う毎月勤労統計調査について、きょう去年1年分の速報値を公表。それによると、基本給や残業代、ボーナスなどを合わせた働く人1人当たりの現金給与の総額は、月の平均で34万8182円となり、おととしと比べて2.9%増え33年ぶりの高い伸び率だった。現金給与の総額の内訳では、フルタイムが45万3445円、パートタイムが11万1842円と、いずれも統計を取り始めた1993年以降で最も高くなった。しかし物価の変動を反映した実質賃金は、物価の上昇率が3.2%と高い水準でおととしと比べて0.2%減少。実質賃金が前の年を下回るのは3年連続。また去年12月分の速報値も公表され、現金給与の総額は前の年の同じ月と比べて4.8%増え、実質賃金も0.6%増えた。実質賃金は去年11月の確定値で0.5%の増加で、2か月連続のプラス。