核燃料デブリとみられる塊の姿を捉えたのは2017年で、触れることができるのに2年の月日を要した。今月、数グラムのデブリを取り出す予定だったが、延期を余儀なくされた。デブリの総量は880トンにのぼるとされる。原子力規制委員会の委員長を務めた更田豊志氏のもと、国内外から研究者、技術者が集められ、原子炉建屋の地下にトンネルを掘って基礎を固め、周囲に壁を張り巡らせて巨大な構造物をつくる。そこに注水し、放射線の影響を抑えながら核燃料デブリを取り出すという新たな工法を思案したが、準備だけで膨大な時間を要する。それとは別に充填固化工法というものがあり、放射線を遮蔽する充填剤を使う。準備期間は比較的短くすむが、研究段階にとどまっている。