4月に叡王戦五番勝負が幕を開けた。藤井は挑戦者の伊藤匠七段にこれまで負けたことはなかった。対局はネットで生中継され、画面にはAIが次の一手の候補や形勢の数値も出された。羽生九段は60手目、70手目くらいまでは事前にAIで研究しているので時間を使わずに指し、研究から離れたところから時間を使って考える指し方が主流と話した。終盤、伊藤はAIが-16%と評価した5五歩を指し、この一手を境に形勢は藤井に傾いた。それから藤井は7手連続でAIの最善手と同じ手を指し続けて勝利したが、対局の形勢をAIが分析したグラフでは中盤から終盤にかけては伊藤にリードを奪われていた。