5年前の台風19号の際、多摩川沿いで浸水した場所を調べると地形にある共通点があった。災害と地形との関係について研究を進めている帝京平成大学の小森次郎准教授とともにまず向かったのは武蔵小杉駅の周辺。5年前の台風19号では浸水被害が相次ぎ駅に近いタワーマンションの地下が浸水し停電も起きた。小森は浸水した場所の多くでは地形に共通の特徴があると指摘している。こうした場所は旧河道と呼ばれ周りより低くなっているため水が集まりやすい。こちらの治水地形分類図と呼ばれる地図を見ると武蔵小杉駅のすぐ近くは旧河道とされていた。小森が台風19号で浸水した多摩川沿いの15か所を調べたところ、13か所に旧河道が含まれていた。しかし、ふだんの様子からはなかなか見分けられない。この旧河道沿いに暮らす女性も旧河道のリスクは住民でも気付きにくいと話していた。この女性の自宅は台風19号の際、自宅は床上まで水につかった。娘に勧められて避難したため無事だったが不思議に思ったことがあった。調べたところ旧河道の自宅前の通りは周囲と比べて1メートル余りも低くなっていた。
「僅かな高低差が被害につながることもある」と小森さんは、ふだんから自宅周辺の地形に意識を向けて歩いてほしいと話していた。街なかで僅かな高低差に気付くためのポイントを聞いた。両端でタイルやブロックの数が違うということは土地に高低差があるサイン。また地面に水を流すことでも傾斜を確認できる。実際に歩いてみたうえでハザードマップで確認することも重要。小森准教授が薦めているのは内水氾濫ハザードマップ。大雨の際、処理しきれなかった雨水が市街地であふれる内水氾濫のリスクを示している。小森さんは身近な場所の地形に理解を深めることが災害時の適切な行動につながると考えている。
「僅かな高低差が被害につながることもある」と小森さんは、ふだんから自宅周辺の地形に意識を向けて歩いてほしいと話していた。街なかで僅かな高低差に気付くためのポイントを聞いた。両端でタイルやブロックの数が違うということは土地に高低差があるサイン。また地面に水を流すことでも傾斜を確認できる。実際に歩いてみたうえでハザードマップで確認することも重要。小森准教授が薦めているのは内水氾濫ハザードマップ。大雨の際、処理しきれなかった雨水が市街地であふれる内水氾濫のリスクを示している。小森さんは身近な場所の地形に理解を深めることが災害時の適切な行動につながると考えている。