漫画家・倉田よしみさん(70)が訪れたのは都内にあるデジタル漫画を制作する会社。AIの開発などを行う企業と取り組んでいるのが、倉田さんの絵柄を再現する生成AI。デビューから46年目を迎えた倉田さんは、漫画を描くスピードが落ちるなど体力的な不安を感じることもあるという。このAIに対し倉田さんが用意するのはラフな下書き。そこにシーンの説明・色の指示などを入力すると、AIが下書きをブラッシュアップし、色付けしたものを提示してくれる。それをもとに倉田さんからの指示を受け、スタッフが修正して完成させる。この会社では倉田さん以外の漫画家ともやり取りをしており、「求めるアシストに応えていきたい」としている。名古屋市にあるアニメーション制作などを手掛ける会社では、従業員6人という少人数で制作しているため、海外の企業が開発した生成AIを活用している。その1つが絵に動きをつけてくれるというもの。アニメは多くの原画を1枚1枚つなげることでキャラクターなどが動いて見えるようになる。しかしここでAIを活用すれば人が描くのは枚のみ。キャラクターの動きを指示すると動画を作成してくれる。その上で荒削りな部分を修正し、より滑らかな動きになるよう調べる。その他にもスマホで撮影した動画をアニメに変換できるAIも活用するなど「仕事の幅を広げていきたい」という。