きのう行われた衆議院の3つの補欠選挙は、いわゆる裏金問題で逆風を受けた自民党が全敗し、岸田政権に大きな打撃となった。自民党議員の間では選挙戦最終日に応援演説に入ったにもかかわらず惨敗を招いた岸田総理の姿を見て、次は自分が落選するという危機感が広がり総理の交代を訴える声が強まっている。あるベテラン議員は岸田降ろしが起きるだろうといきまいていた。ただ一方で、岸田降ろしは今すぐには起きないとの見方が根強く、ある党幹部は今の自民党にはそんなエネルギーもまとまりもないと分析していた。このため焦点は岸田総理が再選をかける9月の総裁選となる。特に最近政権批判を控えていた石破元幹事長は補選の応援に何度も入りつつも、結果しだいでは世の中が動くかもとにおわせ発言をしていて注目が集まる。さらに高市経済安保相、茂木敏充幹事長、河野デジタル相らも出馬を模索すると見られるほか、党内では上川外相を推す声もある。対する岸田総理は6月に解散して勝利し再選に持ち込むシナリオを描いていたが、補選の惨敗で厳しくなったという見方が大勢で、この数か月がかつてない正念場となりそう。
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