中国の国家統計局が昨日発表した今年4月から先月までのGDPの伸び率は、物価の変動を除いた実質で、去年の同じ時期と比べてプラス4.7%と、前の3ヶ月のプラス5.3%から縮小した。これは不動産不況の長期化や厳しい雇用情勢を背景に内需の停滞が続いて、個人消費が伸び悩んでいることなどが主な要因。景気の回復は力強さを欠く状況となっている。そこで中国政府は不動産市場の改善に向けて、売れ残っている住宅を地方政府に買い取らせて低所得者向けの住宅などとして活用する方針を示したほか、内需の拡大に向けて家電製品や自動車などの買い替え促進策を進めているが、効果は限定的だという指摘も出ている。さらに景気の牽引役として期待される輸出についても、欧米で中国製のEVに関税を上乗せする動きが出るなど景気の先行きに不透明感が広がっていて、中国政府が効果的な対策をどこまで打ち出せるかが焦点となる。