人食いバクテリアは正式名称「溶連菌」で、子どもの咽頭炎を引き起こす細菌と基本的には同じものとされている。確かな要因は分かっていないものの、この溶連菌に感染した大人が劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症して重篤な症状を引き起こすケースが確認されている。大人が重篤化した場合の菌は若干中身が違い、毒性を生み出す産生量が高い事が特徴だという。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の主な症状としては発熱や足などの腫れなどがあり、意識不明になるケースもあるという。人食いバクテリアの患者数は去年過去最多の941人を記録し、コロナ感染対策の緩和や去年子どもの溶連菌咽頭炎が流行したことなどが増加の要因ではないかと指摘されている。一般的に足などが赤く腫れて短時間で色が紫色になったり、38.5℃以上の熱が出た場合は速やかに医療機関を受診する必要があるという。症状は急速に進行する事が特徴になるため、1~2時間以内に医療機関で抗生物質を投与してもらう必要がある。また日頃からの予防としては外傷を負った際にアルコール消毒をしたり足の様子を1日1回チェックしたり、手洗いうがいなどの基本的な感染症対策が有効だという。