2016年7月、バングラデシュの首都ダッカで”過激派組織IS(イスラミックステート)バングラデシュ支部”を名乗る男らが飲食店を襲撃し22人が犠牲に。このうち7人は日本が支援する都市鉄道の事業計画の策定にJICAのコンサルタントとして関わっていた日本人だった。去年12月には都市鉄道の一部の路線が開業。鉄道の施設内には7人の慰霊碑も設置され、日本語や地元のベンガル語で「あなた方の貢献を決して忘れません」と書かれている。JICAは事件を受けて海外協力隊の派遣を中断していたが、現地の治安が落ち着いているとして来月以降に再開することを決定。まずは若手隊員2人を短期で派遣し、障害がある人のリハビリなどの分野で支援を行うという。バングラデシュでの海外協力隊の活動は1973年から始まり、高い評価を受けていた活動の一つが感染症の「ポリオ」対策。海外協力隊が現地に戻ることで健康や命を守ることに貢献することが期待されている。バングラデシュは経済成長のポテンシャルの大きさが注目される一方で貧困や格差も大きく、JICAは協力隊員には人々の生活向上や地方での格差解消などに貢献してほしいと話している。