北朝鮮の核ミサイル開発に対して、国連の安全保障理事会が科した制裁が守られているかどうかを調査してきた専門家パネルが、今月いっぱいで活動を停止する。鴨志田郷解説委員が「2006年から核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返してきた北朝鮮に対して、安保理はこれまで11もの制裁決議を採択し、関係する資産を凍結したり、貿易を制限したりしてきた。決議は毎回、米国と北朝鮮との関係は保ちながら、核開発は望まない中国が原案をまとめ、全会一致で採択されてきた。北朝鮮があの手この手で制裁を逃れようとする中で、2009年になって作られたのが専門家パネル。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、安保理で常任理事国の欧米とロシア、中国との対立が深まった。この2年間、ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に対して欧米や日本が非難する動きを見せるたびに、ロシアが強く反対し中国も足並みをそろえてきた。パネルの活動が止まると、国連の北朝鮮に対する監視能力が大きく損なわれることが懸念されている。米国は今後も日韓などと協力して調査を続けたいとしているが、安保理の拘束力という後ろ盾がなければ、活動にもおのずと限界がある」とスタジオで述べた。
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