五十嵐夫妻宅の階段はコンクリート製だが、実は施工時に雨が降り、模様が残ってしまった。職人さんが「仕上げのときにキレイにします」と言ってくれたが、理人氏は模様に趣があると感じてそのままに。食卓、ベッドを同じ高さに配置しては空間に広がりが感じられないと、段差で仕切っているという。本棚には大量の書籍が収められ、日光で劣化するのを避けるため、南面にはほとんど窓を設けていない。2.5階部分に浴室や洗濯機、水回りがあり、五十嵐氏は空を見ながら一日の疲れがとれるよう、高いところにつくっていた。妻である友子さんの意向が反映されたという。建築面積9.5坪に多彩な空間をおさめ、都内の密集地とは思えない広がりを獲得していた。