愛媛県には海に潜って清掃活動を行っているダイバーがいる。地域の海の環境問題に向き合う男性を取材した。愛媛県の宇和海、ダイバーの中岡恵司さんは18年前、東京から移住して水中ガイドとしてこの海の魅力を伝え続けてきた。中岡さんは「日本全国いろんな海潜ってきたけどこんなに生き生きしてる海、伸び伸びして生きている。なんでこんな素晴らしい海が知られてないんだろうかということから活動が始まった」などと述べた。宇和海の海底ではある異変が起きている。中岡さんが案内をすると、空き缶、ペットボトル、プラスチック容器など日常生活で出るゴミが大量に沈んでいた。中岡さんは現状を知って以来、日々海の中のゴミを拾い続けている。一度拾っても後日同じ場所を潜るとまた多くのゴミが沈んでいるのが現状。海洋ゴミはそのほとんどが海底に沈むため、一度海に出てしまうと回収は難しいと専門家は指摘する。海洋研究開発機構主任研究員の中嶋亮太さんは「どのくらい浮いてるかというと、世界中の海で200万トンとか300万トンとか。大部分は沈んでるんじゃないか」などと指摘した。身近な海の現状を知ってもらおうと中岡さんは松山市内の高校で海の環境についての授業を行った。自分たちの地域の海をより良く知ろうと生徒たちも積極的に質問をした。18年前、一人で始めた海洋ゴミの回収作業。次第に多くの賛同を得て地域の人も協力してくれるようになった。1度に1トン以上のゴミを回収できるようになった。専門家によると、黒潮の影響で東アジアや東南アジアからゴミが流れ込み、世界的にみても日本近海には多くのゴミが集まっているという。中岡さんは今後、磯焼けなどの問題にも取り組んでいきたいという。