告示が3日後に迫った自民党総裁選挙。高市経済安全保障担当大臣が会見し、立候補を表明。国家の主権と名誉を守り抜くと強調した。会見会場に掲げられた文言は「サナエあれば、憂いなし。」。高市経済安全保障担当大臣は63歳。1993年の衆議院選挙に無所属で立候補し初当選。その後、旧新進党などを経て、自民党に入党。保守的な政治信条で知られ、安倍元総理大臣とも近く、安倍元総理の下で初入閣し、党の政務調査会長や総務大臣などを務めてきた。前回の総裁選挙で、安倍の支援も受けて初めて立候補。今回が2回目の挑戦。高市経済安全保障担当大臣は「“女性初の総理大臣いいじゃないか”その言葉を胸にとどめながら、全力投球していくのみ」と述べた。過去に旧姓を使用できる環境整備を国などに義務づける法案を作成したことに触れ、「法案が通れば、ほとんどの不便は解消される」と述べ、選択的夫婦別姓の導入に慎重な姿勢を示した。高市経済安全保障担当大臣は「総合的な国力の強化が必要。経済成長をあくまでも、どこまでも追い求める。日本をもう一度世界のてっぺんに押し上げたい」と語った。3日後の告示に向けて、立候補を予定する議員の動きも活発に。自民党・小泉進次郎元環境大臣は、経団連の十倉会長と意見交換。選択的夫婦別姓を巡って、小泉元環境大臣は「家族の中で名字が違うことが、家庭、家族のきずなの崩壊につながるというのは、必ずしも違うと思う。別姓を選択したい人に新たな選択肢を用意する社会を作る」と語った。一方、マイナ保険証の導入に関連し、林官房長官がおととい、健康保険証の廃止時期の見直しも含めて検討する考えを示したことについて、河野デジタル相は「発言の真意を確認していない。法改正も必要になる。真意を確認したい」と述べた。林官房長官は「見直しを含め検討したい考えを述べたもの」と述べた。防衛についての発言も相次いだ。自民党・茂木幹事長は「台湾有事は日本の有事にも発展する危険性が極めて高い。日本の安全が確実に守られる。さらには台湾海峡の平和、安定が確保されるような措置をとっていきたい」、石破元幹事長は「ウクライナで起こっていることは、あしたはアジアで起こるかもしれない。自民党総裁、内閣総理大臣にならねばならないと思った理由の第一が日本を守ること」と述べた。自民党・小林鷹之前経済安全保障担当大臣は、耕作放棄地を活用した群馬・高崎市のキウイ農園を視察し、「若い人たちが新規参入で(農業で)稼いで行ける、そういう働きを応援していきたい」と述べた。あすの会見で、総裁選挙への決意や公約を説明することにしている加藤元官房長官は「思いを率直にしっかり伝えていきたい」と語った。推薦人の確保を目指す上川外務大臣は、夕方には、議員会館で上川を支持する議員らによる会合が開かれ、10人余が出席。上川外相は「あと一歩であるので、12日には必ず立候補する覚悟で臨みたい」と語った。