岩手県・雫石町。白銀の世界が眼下に広がる「小岩井農場」で作られる、小岩井乳業の主力製品「小岩井生乳100%ヨーグルト」。際だつ“なめらかさ”の秘訣は、原材料に生乳のみを使用するだけでなく、前発酵という特徴的な製法にある。一般的なプレーンヨーグルトは量産が可能な後発酵タイプがほとんど。一方、小岩井の前発酵は、容器に充填する前に専用のタンクで半日以上(12時間以上)かけ、じっくりと発酵させ丁寧に攪拌するため、やさしい酸味となめらかな口あたりを実現しているという。小岩井工場・杉田忠彦工場長は、時間と製造する量がタンクの大きさで決まってしまうので効率が悪いと思われるかもしれませんが、味を守ることを続けることが小岩井らしいと語る。自然本来のおいしさを届けるモノづくりへのこだわり。決して効率的とは言えないプレミアムな戦略は、半世紀近く変わらず今後も変えないという中、ブランド力を強化する取り組みは進化を遂げている。親子で参加する「親子で発見!ヨーグルトの魅力 体感ワークショップ」(都内)の開催。これまでは、商品のメインユーザーとされる50代〜60代女性へのセミナー形式の催しを行ってきたが、ファン層の拡大へ親子で楽しめる体験型イベントに変えた。変わらぬモノづくりをベースとしながら、魅力を伝えるためのリアルなコミュニケーションの場作りなど、ブランド価値向上に向けた新たな取り組み。小岩井乳業・西村努マーケティング部長は、幸せと健やかさの循環が自然と牛と人とに繋がっていく、などとコメントした。