春闘が本格化。民間の調査では新年度、賃上げを予定する企業が85%を超えるなど、幅広い企業が賃上げを前向きに考えていることがうかがえる。一方、課題となっているのが中小企業への波及。従業員およそ80人の自動車部品メーカーは4年ほど前から、生産ラインにセンサーを設置し、稼働状況を見える化。さらに、蓄積されたデータをAI人工知能を使って分析するなど、業務を見直した結果、業務の効率が20%向上したという。そうして生まれた利益の一部を活用することで、おととしと去年は賃金を平均で4%から5%引き上げた。ただ、すべてを賃上げに充てることは難しいとしている。民間の調査会社では、春闘の交渉が本格化した今月、インターネットを通じて調査を実施。「新年度に賃上げを実施する」と答えた企業は85.2%で、去年とほぼ同じ結果となった。労働団体の連合は、ことしの春闘で、大手との格差是正に向けて、中小企業については6%以上の賃上げを目標としている。しかし、6%以上の賃上げを予定していると回答した中小企業は9.1%にとどまった。格差の構図はさらに広がる可能性があるとした上で、中小企業の賃上げに向けては、社会全体で価格転嫁ができる環境づくりを引き続き行う必要性があるとしている。