日中韓の首脳会議は午前10時から1時間あまり開かれた。冒頭、議長国を務める韓国・ユン・ソンニョル大統領は「3か国の国民が肌で感じられる実質的な協力策を追求し、未来の世代が活発に交流できる環境をつくり、協力の安定性や持続性も強固にしていかなければならない。2国間関係で関係が難しい問題も3か国の協力を通じて解決できるだろう」と指摘した。一方で北朝鮮について「北が国際社会の警告にもかかわらず発射を強行するなら断固として対応すべき」と強調した。岸田首相は「今般、北朝鮮はまたも人工衛星の打ち上げを予告したが、仮に発射sを強行すれば国連安保理決議違反で強く中止を求める」と強調。中国・李強首相は「4年あまり、3か国の協力は感染症など様々な影響で停滞したが、今ようやく正常な軌道に戻った。協力を模索し、互いに利益得ることへの願いは変わらない」と述べた。一方で3か国の協力を進める上で「相互尊重と信頼を堅持するには誠実に対話し、世界の多極化を推し進める必要があり、陣営をつくることに反対しなければならない」と述べ、日韓がアメリカと連携を深める動きを牽制した。会議では経済や人的交流のほか、少子高齢化や気候変動など、共通の課題での協力で合意したとみられるほか、経済面では停滞している3か国のFTA(自由貿易協定)の交渉推進に向け議論を重ねることを確認したものとみられる。また、北朝鮮から「人工衛星」打ち上げ通報があったのを受け、今後の対応についても意見が交わされたものとみられる。