イタリアで開かれているG7サミット(主要7か国首脳会議)は14日、ウクライナに対する支援の継続やロシアを支援する中国への懸念などを盛り込んだ首脳声明を採択した。首脳声明では「ウクライナへの揺るぎない支援を再確認し凍結したロシアの資産を活用して年末までに500億ドル、約7兆8000億円を提供する方針」を表明。中東情勢では、パレスチナ自治区ガザでの停戦や人質の解放を巡る合意案を支持することで一致した。中国については、軍民両用の資材をロシアに移転しないよう求めたほか、中国のメーカーが政府から多額の補助金を受けて電気自動車のバッテリーなどを過剰に生産している問題にも懸念を表明。サミット2日目には、ローマ教皇・フランシスコが協議に加わり、AI(人工知能)の兵器への利用に懸念を示すとともに規制の強化を訴える場面もあった。フランシスコは「人工知能は相反するテーマ。その可能性に興奮させられる一方で、もたらす結果に恐怖を覚えることもある」と述べた。G7での討議を終えた岸田総理大臣は、15日からスイスで開かれる「ウクライナ平和サミット」に出席する。