新薬の開発力強化に向けて政府が開いた、創薬エコシステムサミット。大手製薬会社や研究機関、それに患者団体などが出席した。世界の医薬品市場に占める日本発の医薬品の売上高は、年々減少傾向。2014年には1割を切ったほか、新型コロナの感染拡大時には、ワクチンや治療薬の開発で海外に後れを取った。また問題となっているのが、海外で承認されている薬が国内で使えない「ドラッグ・ロス」。小児用や難病などの薬86品目で、採算性が低いなどを理由に、国内での治験が行われていないという。会合で岸田総理大臣は、2028年までに、新薬開発に携わるスタートアップ企業への民間投資額を2倍に増やし、価値が100億円以上の企業を10社以上生み出すことを目指す方針を表明した。政府は、海外の企業とも連携して、治験を行える国内拠点の整備や、ドラッグ・ロスの解消にも取り組むことにしていて、会合では、官民の連携に向けて、来年度、新たな協議会を創設する方針も確認した。