千葉県市川市にある教会では中に入るとまるでライブハウスかのような熱気ぶりである。この教会の牧師でありラッパーでもある下道恵さん(44)は牧師とラッパーの二刀流で活動している。この日初めて自分の教会でライブイベントを開催した。下道さんは「教会の敷居を下げたい。教会をライブハウスにするのがゆめである」と話した。下道さんが牧師を志したのは30歳で、札幌で牧師をしている父親の影響であった。しかし、牧師になるために入学した神学校では校則を破ったり先生と口論になるなど問題を起こしてばかりで、学校を2年で退学になってしまった。他の学校に入学し縁があった市川市の教会で牧師になった後も、同じ教団の先輩牧師と人間関係のトラブルを起こし孤立してしまう。そんな時に自分の失敗をラップで書き起こしたのが始まりであった。またこの教会に一昨年から通っているともみつさんは自身もロックバンドでボーカルをしていることもあり下道さんのラップに衝撃が走ったという。教会で開かれたヒップホップライブでは最後の曲が下道さんが一番伝えたいメッセージを伝えた。下道さんは「自分が等身大のままやろうと思ったらこうなった。頑張りすぎて傷ついて疲れるんだったらしなくていいし、何度でも伝えていく」と話した。また下道さんは来年教会で、障害のある人やヤングケアラーを対象としたライブイベントの開催を検討しているという。