帯状ほう疹は痛みを伴う水ぶくれが帯状に現れる皮膚の病気。体内に潜伏している水ぼうそうと同じウイルスが加齢や疲労などによる免疫力の低下で活性化して発症する。厚生労働省によると50歳以上の人がかかりやすく皮膚の症状が治まっても神経の痛みが数年残るケースがある。この帯状ほう疹のワクチンについて厚生労働省は来年度から65歳になった高齢者などを対象に接種費用を公費で補助する定期接種を始める方針を決めた。茨城県古河市のクリニックは高齢者を中心に帯状ほう疹の診療に訪れる患者が年々増えているといいワクチンによる予防を積極的に呼びかけている。この帯状ほう疹のワクチン、現在は50歳以上の人や感染リスクの高い人を対象に生ワクチンや組み換えワクチンの接種が行われている。いずれも任意接種のため基本はおよそ8000円から4万円余りの自己負担が必要となっている。こうした中、厚生労働省はきょう開かれた専門家部会で帯状ほう疹のワクチンを来年度から接種費用を公費で補助する定期接種に含める方針を決めた。対象は原則65歳になった高齢者とHIVヒト免疫不全ウイルスに感染し、免疫機能に障害がある60歳から64歳の人ですでに65歳を超えている人については来年度からの5年間に接種できる機会を設ける経過措置を導入する方針だ。厚生労働省は今後、政令の改正手続きを進め来年度以降、準備が終わった自治体から希望する人に対し定期接種を始めることになる。