栃木県日光市の鬼怒川沿いにある廃虚となったホテル。今こうしたバブル期の負の遺産が観光スポット化し、多くの観光客が詰めかけている。立ち並ぶ3つの廃ホテル、これらのホテルは1990年代のバブル崩壊などで経営が続けられなくなり、そのまま20年以上の時を経て廃墟となった。廃ホテルの写真を撮る観光客の姿も。ネット上では心霊スポットとして取り上げられ、ユーチューバーらが相次いで侵入するなど不法侵入が後を絶たない。廃ホテルの内部は天井や壁などがいつ崩れ落ちてきてもおかしくない状況で、さらに人体に影響を及ぼすアスベストなどが飛散していて非常に危険なため、日光市は立ち入りを禁止している。解体されない理由は、最大数十億円という膨大な費用がかかるため。国が廃屋の解体費を補助する制度もあるが、上限1億円では足りない状況。世界遺産の日光東照宮がある日光市だが、鬼怒川温泉を含む藤原地域の観光客はコロナ禍以前に比べ75万人以上も減少している。そんな温泉地に影を落としているのが廃ホテル。日光市はホテルの所有者に適正な管理を求めるしかないのが実情。