タイの消費者物価指数は2022年夏頃には7%を超える水準だったが、以降は徐々に低下してきている。今年11月には前年比0.44%下落し、2か月連続のマイナスとなった。電気代も今年はじめに過去最高を記録し、ピークを迎えて以降、年末までは値下げが続きこれまでのところ物価は落ち着いてきた印象とのこと。タイの外国人旅行者数は2021年は約43万人だったが、今年は10月までの10か月間で2200万人を突破し、バンコクでも観光客が目立っている。コロナ禍前の2019年には4000万人近くの水準だったので、まだ回復途上といったところだが、観光業はタイ経済を支える柱の一つといえ、実力を取り戻しつつある。今日のテーマは「成長するペット関連市場」。タイ商務省によると、2021年の市場規模は約446億バーツ(約1,830億円)だった。2026年には約667億バーツ(約2,740億円)にまで拡大すると予想している。フード、ケア用品、おもちゃ、アクセサリー、パーツなどの販売をはじめ、薬局・クリニックやサロンなどの店舗も増加している。専門店だけでなく、多くの小売店でペット商品が多数置かれ、活況を呈している。タイ商務省高官は「タイはペットフード生産国および輸出国として世界3位に位置づけられており、2022年の輸出額は前年比15%増の28億ドル」としている。活況の背景には所得水準の向上でペットを買う人が増えたこと、子どものかわりにペットを買う人が増えたこと、新型コロナ禍における外出制限でペットを求める人が増えたことがあると言われている。マヒドン大学が2022年に行った調査では、ペット所有者の80%が独身で、49%が子どもを持つかわりにペットを飼っているという結果が出た。都市部でコンドミニアムに住む中間層や富裕層が増えたこともあり、小型犬に加えて猫の人気が上昇している。ペットの内訳は犬40.4%、猫37.1%で拮抗しているが、業界の人によると、近年は特に猫のほうが人気だという。日本のペットフードの国別輸入量においてタイがトップ。特に猫用はダントツのトップとなっており、日本のペット愛好家にも馴染みが深い国となっている。市場に参入している主な日系企業としてはいなば食品があげられる。10年ほど前にペットフード生産工場を立ち上げ、タイ国内販売、国外への輸出に取り組んでいる。同社は「Ciaoちゅ~る」が主力で、犬・猫用ともに幅広いラインナップを揃えている。タイの消費者にとって、日系企業の商品は安心・安全・品質の良さで人気度を高めている。日本政策金融公庫でも海外への事業進出や展開を計画する事業者に対し、資金面と情報面で幅広い支援を続けている。
住所: 東京都千代田区大手町1-9-3
URL: http://www.jfc.go.jp/
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