来年5月に任期を終える予定の経団連・十倉会長はきょう、次期会長として日本生命会長を務める筒井義信氏を正式に起用する方針を明らかにした。初めて金融業界から起用される。筒井氏は兵庫県出身。2011年に日本生命の社長に就任したあと、2018年から会長になり、去年、経団連の副会長に就任。日本の脱炭素の取り組みを推進するため、政府のGX推進機構の理事長も務めている。日本を代表するおよそ1500の会員企業を抱え、全国の業界団体も束ねる経団連は経済界の意見を取りまとめ、政府などに政策を提言する役割を担っている。トップの会長は日本経済の顔ともいえる存在で、財界総理と呼ばれてきた。前身の経済団体連合会を含めてこれまでに15人が会長を務め、そのほとんどが大手製造業の出身。第4代会長・土光敏夫氏は現在の東芝出身で、質素な暮らしぶりがメザシの土光として親しまれ、行政改革に尽力。第9代会長は当時の新日鉄、現在の日本製鉄出身・今井敬氏。バブル崩壊以降の金融システムの安定化に向けた取り組みを進めた。第10代会長のトヨタ自動車出身・奥田碩氏は政府の経済財政諮問会議の民間メンバーとして小泉内閣の改革に関わった。筒井氏は来年5月の経団連の総会を経て、正式に就任する予定。