三菱UFJモルガン・スタンレー証券の上野大作氏によるきょうのドル円の予想レンジは、152.00円~153.60円。本日の注目イベントは日銀会合。高市内閣の発足直後というタイミングでの利上げは、見送られる可能性が高い。植田日銀総裁の会見も安全運転になる可能性が高く、為替も派手には動かないだろう。きょうの注目ポイントは「6年連続陽線模様のユーロ円相場」。今週、ユーロ圏は過去最高値を更新した。ユーロ円は2022年を起点に上昇が続いている。金融政策のすれ違いを無視するほど強い構造的な円安要因が、背後に潜んでいるのではないか。政府債務のGDP比や国債の信用力では日本がユーロに劣後している。貿易サービス収支でも日本は赤字体質が定着している。ユーロ参加国は増えている一方、日本円の領土は広がらないうえ使う日本人の数は減っている。円の弱さがユーロ円相場に表れている。ECBは物価目標2%界隈で利下げ打ち止めになる一方、日銀の利上げはインフレ実績3%よりも低い実質マイナスの状況が続き、さらなるユーロ高円安が進む可能性が高い。年末から来年にかけて180円台を試しに行く可能性もある。
