日銀は7月の会合で長期金利が1%に達するのを事実上認めることにしていた。上限がさらに引き上げられた場合は何が変わるのか。金利上昇を認めれば、円安の進行が抑えられ、家計負担増がやわらげられる可能性がある。住宅ローン金利は、長期金利に連動する固定型は上昇傾向が強まる可能性があるが、7割が利用している変動型は短期金利の水準を反映するので、影響を受けないとみられている。金利上昇が行き過ぎると、設備投資が消極的なる可能性があり、景気を冷やすリスクがあり、賃上げ機運に水を差す可能性がある。景気の好循環を妨げるのは避けたいところ。金利上限を引き上げるかは、市場関係者の間でも見方が分かれている。智田の見立てでは、上限を引き上げる判断に踏み切るのは、物価上昇に賃上げが追いついていない中、なかなか難しいとみている。柳澤は「政府は持続的な賃上げを掲げている。企業が賃上げを渋ることになると目算が外れてしまう。政府だけでなく国民も選択を迫られている。専門家は、年明けくらいに日銀は新しい手法をうってくるという見方」と話した。