国連安保理の専門家パネルは北朝鮮に対する制裁の実施状況を15年間調査してきたが、任期を延長する決議案がロシアの拒否権によって否決され先月末で活動を停止した。これを受けて日本や米国など49か国とEUが今月1日に共同声明を出し、制裁逃れを監視する新たな枠組みを作るため、各国と連携していくと表明した。これについて北朝鮮・キムソン国連大使はきょう国営の朝鮮中央通信を通じて声明を発表した。この中ではわが国に対する敵視政策の失敗を深く反省すべきだと主張したうえで、日本や米国などが出した共同声明に対しては米国と追従勢力が時代錯誤な敵視政策を追い求めるならばより悲惨な敗北を迎えると反発した。北朝鮮関係筋はNHKの取材に対し「今後、貿易などの活動がしやすくなり、地下資源など輸出できる品目も増えるだろう」と話していて、専門家からは制裁違反の増加を懸念する声が出ている。